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岡崎 良子
no journal, ,
陽子線治療において、ビーム照射により体内で自己放射化が生じる。生成された残留核には短寿命の陽電子放出核が含まれるため、ベータ+崩壊後の消滅をPETカメラで測定することにより、陽子線の照射部位の確認が可能となる。本研究では、この陽子ビーム照射による放射化から消滅の測定までを、いろいろなコードを利用してシミュレーションを行うことを目標とする。今回は、荷電粒子輸送コードPHITSを利用して、水ファントムに陽子ビームを照射したときの陽電子放出核種の生成率を得、その生成率に従って発生させた陽電子が消滅となって測定されるまでを、電磁カスケードシャワー用モンテカルロコードEGS5で行ったので、その結果について報告する。
乙部 智仁; 矢花 一浩*
no journal, ,
X線自由電子レーザー(XFEL)による生体分子の構造解析において、分子の損傷の影響の解明は最重要課題である。本研究ではXFELにより内殻励起された原子分子の電子ダイナミクスを時間依存密度汎関数法(TDDFT)を用いて解析した。その結果内殻電子が励起された直後(10アト秒程度)に急激な電子ダイナミクスとそれに伴うポテンシャルの変化が起こることがわかった。またそのポテンシャル変化が原子のイオン化確率(Shake off確率)を大きく増加させることを明らかにした。
森林 健悟
no journal, ,
X線自由電子レーザー(XFEL)の利用研究の1つとしてタンパク質などの単生体分子のX線による立体構造解析がある。XFELの場合、従来のX線源よりもX線の数が非常に大きいため、生体の損傷の影響が大きいと考えられている。生体の損傷は、構造解析のノイズとして現れるが、ここでは、損傷とXFELのパラメータ(X線数と生体分子のサイズ)の関係を明らかにして、X線数の上限値を決めることを目指す。XFELが生体分子に照射されると内殻電離及びそれに伴って発生する電子の衝突電離、さらに数fs後、オージェ過程が起こり、電子密度分布の変動が生じる。これらの電子密度分布の変動は立体構造解析のノイズとして現れる。本講演では、XFELのパラメータと元素の電荷数の変化の関係を計算し、立体構造解析に対する最適なパラメータを提案することを目指す。
稲見 俊哉; 寺田 典樹*; 北澤 英明*; 豊川 秀訓*
no journal, ,
共鳴X線回折実験は4f, 5fの多極子秩序の検出手段として非常に強力な手法であるが、現実的には逆空間の極一部しか走査できないという問題がある。一般的なX線回折実験では回転結晶法を用いることにより広く逆空間を探査することができる。そこでこの回転結晶法を共鳴X線回折実験に適用し、その実用可能性を検討したので報告する。
稲見 俊哉; 大和田 謙二; Ouyang, Z. W.*; 松田 康弘*; 野尻 浩之*; 松村 武*; 村上 洋一*
no journal, ,
Shastry-Sutherland格子を組むTbBは基底状態がXY型の反強磁性体であるにもかかわらず、c軸に磁場を印加した場合、その磁化過程は17T以上で多段の磁化プラトーを示す。以前、強磁場下共鳴X線磁気散乱の結果を元にこの磁下過程の原因を考察したが、新たに加わった実験結果を加味して、さらに考察を進める。
Harries, J.; 國分 美希*; 本間 健二*; 下條 竜夫*; Sullivan, J. P.*; 東 善郎*
no journal, ,
水分子の酸素1sのイオン化閾値付近のエネルギーで、長寿命の中性励起状態の水素原子が生成する。本研究ではその中性原子のイールド測定及び運動エネルギー測定を行った。そのほか、励起状態水素原子が基底状態へ崩壊するときに生成する蛍光を寿命別に測定し、解離ダイナミックスについて調べた。
甲斐 健師
no journal, ,
X線自由電子レーザーによる代表的な応用研究として、蛋白質のような生体分子の立体構造観測が考えられている。その観測にはX線による蛋白質の損傷が伴い、さらに電離した2次電子が衝突電離を引き起こすことで損傷を進行させる。本研究により炭素原子から電離した2次電子平均エネルギーを理論計算したところ約20eVであることがわかった。講演では、今日まで報告されていない内殻電離状態の電子衝突電離断面積の計算結果、及び2次電子の平均エネルギーの計算結果について報告する。
橋本 美絵; 深谷 有喜; 河裾 厚男; 一宮 彪彦
no journal, ,
Ge(111)--Sn表面は、220K以下になると33構造へ相転移することが知られている。最近、この表面は30K以下で再び構造を形成することが報告され、光電子分光の結果からモット転移であると考えられている。しかし、Sn原子の変位や相転移のメカニズムに関しては、未解決のままである。本研究では、最表面に敏感な反射高速陽電子回折(RHEPD)を用いて、Sn/Ge(111)表面からのロッキング曲線をさまざまな温度で測定し、動力学的回折理論に基づく強度計算との比較から、それぞれの相転移前後におけるSn原子の変位について報告する。構造(293K)と33構造(110K)からのロッキング曲線では、両者にほとんど差が見られなかったため、Sn原子の平衡位置は変化しないと考えられる。さらに、29Kでロッキング曲線を測定した結果、わずかな変化が見られたが、回折パターンは依然33構造のままだった。また、220K以下では、Sn原子に起因したRHEPD強度の温度依存性に強度異常が見られたことから、フォノンのソフト化が起こっていると考えられ、このソフト化が30K付近で起こる相転移に関与していると推測される。
森 道昭; 水田 好雄*; 近藤 公伯; 西内 満美子; 加道 雅孝; 神門 正城; Pirozhkov, A. S.; 小瀧 秀行; 小倉 浩一; 杉山 博則*; et al.
no journal, ,
原子力機構では、大阪大学と共同でレーザー駆動準単色電子ビームの応用に向け、レーザー及びターゲット条件の最適化を進めている。本講演ではこれに関連し、JLITE-Xレーザーで発生したパルス幅40fs・ピーク出力4.1TWのレーザー光を、f/20(f=625mm)の軸外し放物面鏡でアルゴン及びヘリウムgasjet上に集光することで生じる電子ビームを評価しビームサイズがレーザーパワー・プラズマ密度及びガス種に依存することを初めて明らかにした。また最小のビームサイズが得られているガス種・ガス圧・レーザーピーク出力・ガス圧(アルゴン,0.4MPa,4.1TW)の条件において、再現性80%で9.11.0MeVのこれまでのわれわれの研究成果と比較して安定性の高い準単色電子ビームが得られていることも明らかにした。
五十嵐 誉廣; 中沢 哲也; 都留 智仁; 加治 芳行
no journal, ,
原子炉構造材料であるステンレス鋼の粒界型応力腐食割れ(IGSCC)機構解明のため、量子化学的アプローチによる粒界の安定性解析を行った。本研究では特にSCCの主要因の一つである粒界の腐食挙動に着目し、粒界近傍に属する原子間の結合エネルギー解析を行うことで粒界強度の変化を調査した。まず、ランダム粒界のような数万原子からなる合金系に適用するための、拡張された半経験計算手法の開発を行った。開発した手法をbcc鉄の3対応粒界に適用しエネルギー解析を行った結果、粒内から粒界に向かって結合エネルギーが弱くなるエネルギー勾配を持つことがわかった。この結果は、粒内に存在する不純物が粒界に引き寄せられ、粒界に属する鉄-鉄間の結合を弱体化させることで粒界を劣化させる可能性があることを示している。
徳永 陽; 藤本 達也*; 酒井 宏典; 中堂 博之; 神戸 振作; 松田 達磨; 芳賀 芳範; 大貫 惇睦
no journal, ,
六方晶TiNi型の結晶構造を持つUPdでは低温で連続した3つの相転移が出現する。これらの相転移の起源はUの持つ局在f電子の四極子秩序と考えられているが、詳細は明らかになっていない。そこでわれわれは核磁気共鳴法を用いて各秩序相の微視的解明を進めている。今回は新たにPdを97%に濃縮した試料を合成し、十分な信号強度のもとで高精度のPd-NQR測定を行った。当日は秩序相におけるPd-NQRの結果を中心に、特にPdサイトの対称性について議論する。
深谷 有喜; 橋本 美絵; 河裾 厚男; 一宮 彪彦
no journal, ,
結晶表面における電子ビームのエネルギー損失過程は、実験・理論の両面から詳しく調べられており、表面プラズモン励起が主要な過程であること、またその励起回数は、入射ビームの視射角に反比例して増加することが報告されている。一方、陽電子ビームを用いた研究は非常に少ない。陽電子は電子とは異なり、結晶表面で全反射を起こすため、表面プラズモン励起過程も電子の場合とは異なることが予想される。本研究では、エネルギー分析器を反射高速陽電子回折(RHEPD)装置に組み込み、全反射条件下におけるSi(111)-77表面からの鏡面反射強度のエネルギー損失スペクトルを測定した。測定したスペクトルには、表面プラズモンを5回励起したものに対応する明瞭な損失ピークを観測することができた。また、0Vのゼロロスピークに比べ、これらの損失ピークの強度が非常に大きい。さらに、全反射条件を満たす範囲内で視射角を変化させて損失スペクトルを測定したところ、それらに著しい差異は見られなかった。スペクトルの解析から、全反射した陽電子による表面プラズモンの平均励起回数は、約2.6回と見積もられた。以上の結果から、全反射した陽電子は、表面プラズモンを多数励起していることがわかった。
深谷 有喜; 松田 巌*; 橋本 美絵; 成田 尚司*; 河裾 厚男; 一宮 彪彦
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典型的な2次元金属表面であるSi(111)--Ag表面上に、AgやAuなどの貴金属原子を微量に吸着させると、表面電気伝導度の急激な上昇を伴って、超構造が発現する。最近、松田らの研究から、Si(111)-52-Au表面上へのAg原子吸着によっても、超構造が発現することがわかり、この超構造が二次元系のヒュームロザリー相である可能性を示唆している。この新しい-(Au,Ag)超構造の原子配置は、現在のところ全く不明である。本研究では、反射高速陽電子回折(RHEPD)を用いて、新たな-(Au,Ag)超構造の原子配置を調べた。観測した-(Au,Ag)超構造からのRHEPDパターンの強度分布は、これまでの-Agを下地として作成した超構造からのものに似ている。さらに、さまざまな入射方位でロッキング曲線を測定したところ、わずかなピーク位置のずれはあるものの、それらの形状もこれまでのものに似ていることがわかった。動力学的回折理論に基づく強度解析の結果、新たな-(Au,Ag)超構造の原子配置は、これまでの超構造とほとんど同一であることがわかった。
神戸 振作; 酒井 宏典; 徳永 陽; 中堂 博之; 松田 達磨; 芳賀 芳範; 安岡 弘志
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重い電子系USnのスピン-スピン緩和を測定した。ガウス型成分とローレンツ型成分の温度依存から、反強磁性磁化率のリアルパートの温度依存について議論する。
大西 弘明; Dagotto, E.*
no journal, ,
一次元ハバード鎖の輸送特性を、時間依存密度行列繰り込み群法を用いて数値的解析を行う。コンダクタンスや電荷・スピン相関関数の振る舞いについて、クーロン相互作用が斥力(モット絶縁体)と引力(超伝導体)とでの相違点や、クラスターサイズ依存性を解析した結果を報告する。また、オンサイトポテンシャルの乱れの効果についても議論する。
國枝 雄一; 河内 哲哉; 長谷川 登; 永島 圭介
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表面プラズモン共鳴の励起に数GW/cm以上の強度のレーザーを用いた場合、金属表面付近に生成される急勾配のエバネッセント場によって光電子が加速され真空中に放出される。この物理現象は加速器の電子源としての利用が期待されている。本研究では真空チャンバー内に設置した50nm厚の金をコーティングしたプリズム(クレッチマン配置)に波長790nm,パルス幅100fsのチタンサファイアレーザーを照射して表面プラズモン共鳴を励起し、エバネッセント場によって加速した光電子をMCP(マイクロチャンネルプレート)によるTOF法で検出した。下の図は励起レーザーのビーム強度を6.3GW/cm,チャンバーの真空度110Pa, MCPの印加電圧2.0kV,光電子の飛行距離40cmで測定した光電子スペクトルの結果であり、光電子の運動エネルギー50eV相当に半値幅30eV(FWHM)程度のピークを確認できた。発表では実験結果の詳細について述べる。
松田 雅昌; 星 武道*; 香取 浩子*; 小坂 昌史*; 高木 英典*
no journal, ,
GeCoOで見られる磁場誘起の新しい磁気相における磁気構造を明らかにするために、磁場中で粉末中性子回折実験を行った。実験は原子力機構JRR-3ガイドホールに設置された三軸型中性子分光器TAS-2で10T超伝導マグネットを用いて行った。その結果、磁場上昇とともにゼロ磁場で観測されていた磁気ブラッグ反射強度に変化が見られた。例えば、(1/2, 1/2, 1/2)反射強度は4Tまで増加するが、4T以上では徐々に減少する。このように臨界磁場である4Tに対応して反射強度の異常が観測された。この強度変化は磁気ドメインの再配列(4T以下)と磁気構造の変化(4T以上)の2つが関与していると考えられる。
上原 和也; 関 正美; 森山 伸一; 大山 直幸; 諫山 明彦; 久保 博孝
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トカマクを含めたトーラス装置では閉じ込めが異常輸送で支配されていて、甚だ効率がよくないので、専らHモード等の閉じ込め改善モードが見いだされて、これによる追加熱が行われている。ところが、トカマクにおいては定常運転を目指す低域混成波電流駆動実験において、異常輸送を凌ぐ閉じ込め改善モードがJT-60, TRIUM-1M等で観測されている。JT-60では2つの周波数を持つ低域混成波電流駆動実験において、Hモードに達することのできる通常の閾値よりも極めて低いパワーでHモードと同じ現象が観測されている。また、JT-60Uでは負磁気シアでの低域混成波電流駆動実験において極めて少ないパワーで中心領域での高い電子温度を伴う加熱が観測されている。これらの低域混成波電流駆動における閉じ込め改善の物理的メカニズムを考察し、実験と比較しうる簡単な計算を行った。
松田 達磨; 芳賀 芳範; 立岩 尚之; 青木 大*; 池田 修悟*; 本間 佳哉*; 塩川 佳伸*; 摂待 力生*; 大貫 惇睦
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NpPdAlは超伝導転移温度=4.9Kとf電子系化合物としては非常に高く、また電子比熱係数は200mJ/Kmol以上と大きな重い電子系である。比熱の温度依存性からは、異方的ギャップを持つことが示唆されている。超伝導状態における上部臨界磁場HC2は、c軸方向において143kOeとa軸方向の約3倍近くも高い。輸送効果測定から、電子状態の異方性を探るため、抵抗及びHall効果測定を行った。電気抵抗の温度依存性では、絶対値において大きな異方性が見られるとともにc軸方向では約110K付近にピークを持つような振る舞いが見られる。低温では、超伝導転移温度直前まで、いずれの方向においても温度に比例する振る舞いを示す。ホール係数の温度依存性においても大きな異方性を示すことがわかった。一般に重い電子系化合物では、十分低温において、Hall係数は飽和傾向を示すのに対し、この系ではそれが見られない。このことは、低温において特異な電子状態であることを示唆している。
大和田 謙二; 藤井 保彦; 村上 洋一*; 山内 徹*; 上田 寛*
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共鳴X線散乱を用いAVO(A=Na,Sr)の電荷秩序状態の研究を行った。Na系とSr系ではそのスペクトル形状のアジマス角依存性に顕著な違いが見られた。その変化の様子は、Na系においては単調な変化だったのに対し、Sr系では複雑であった。このことはNa系においては3種類のサイトに同位相で電荷がいたことを示す。一方で、Sr系の場合Na系とは異なる位相関係で電荷配列をしている可能性が大きい。磁性の基底状態がシングレットであることなどを考慮すると、電荷不在の"節"の位相がV1V3サイトとV2サイトで1/3ずれているモデルが一番しっくりくると思われる。